類似症状 高所恐怖症とイップス(第42話)

山岳

今回はちょっと脇道にそれる形で、パニック障害未経験の方に精神疾患とはどのようなものか、例を添えながら説明したいと思います。

高所恐怖症は予期不安と似ている

まず一番分かりやすい類似例だと、高所恐怖症だと思います。山の山頂の広い広場から見た景色で恐怖感を感じる方はいないと思いますが、山岳の断崖絶壁の側に立つのは絶対に嫌だという方は居られますよね? もしくは建物の屋上から下を見下ろすと、血の気が引くような恐怖感に強く襲われる方はいますよね? そして、足がすくんだり、恐怖感から身動きが取れなくなる方も居られると思います。
高いところは怖いという精神面から体が拒絶反応を見せるのですが、脳内でドーパミンやアドレナリンといった物質の分泌バランスが恐怖感の影響で崩れて、体が硬直したりするのです。つまり精神疾患を患っていなくても、誰でも似たような体験などは経験しているのです。高い所が怖いのは高所恐怖症、閉鎖空間や身動きが取れない状況を嫌うのはパニック障害と思ってもらえれば、理解しやすいと思います。

イップスは広場恐怖に似ている

次の例題をあげますと、イップスというのがあります。これは極度に緊張した状態が続いた後、体が硬直して動けなくなる症状のことです。プロゴルファーがラウンド中にゴルフクラブを握った手が硬直して、手からゴルフクラブが離せなくなったり、オートバイのレース中に極度に緊張した為に、ハンドルのアクセルから手が離れなくなるバイクレーサーの方も居られます。
これらも、緊張した状態が続いたために、体が無意識に拒否反応してしまうのです。ゴルフでプロゴルファーがパットを打てなくなるのは有名な話ですね。
精神疾患は決して頭がおかしくなった訳ではなく、外部からの影響で脳内のバランスが崩れたのが原因だと思われます。お話の中の私は、退職後一カ月未満ですが、なかなか快方に向かいません。どうやら長い期間ストレスを受け続けた体は、その期間に比例して回復に時間がかかるようです。退職すればすぐに治ると考えていましたが、甘かったようです。

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