建物内案内図を見ると数回下の階に診療所があるのを確認して、エレベーターは待ち時間に耐えれないので階段を利用して慌てて診療所へ駆け込みます。受付を済ませましたがお昼休みということで、診察は午後一時からと告げられると、緊急なので午後の診察順番は無理を承知で強引に一番最初にして下さいと嘆願して、どうにか受診できる手配は完了しました。
パニック発作が起こると時間的に妥協とか、協調性といったゆとりは一切なくなり、物事は常に自分最優先で自分の我を貫くしかありません。なんといっても強烈な恐怖感が込み上げていますので心のゆとりなど皆無です。他人からどうように思われるかなど微塵にも考えることなどはありません。自己中心的でわがままな人に見えると思いますが、そのようなことは完全に無視です。
その後はトイレで用を足す訳でもないのにトイレの中を歩き回ったり、鏡の中の自分の顔を見ながら心の中で「顔つき、顔色に異常はない、落ち着け落ち着け」とブツブツ独り言を繰り返し、突然廊下を歩き回り診療所を出たり入ったりして、異常者そのものです。
挙句の果てには診療待ち患者が多数いる待合室で長椅子を一人で占拠して、長椅子の上でひっくり返って天井を見上げている有様です。そして、ついに午後1時となり診察室で先生に状況を説明すると、とりあえず血圧測定、血液検査、尿検査をすることになり、当方としましては、すごい恐怖感なのに検査する余裕はないよと感じつつも、それを受け入れるしかありません。そして結果はいつもと同じで異状なしとのこと。もう悲劇です。
この時点で午後二時を過ぎていましたが、このような小さな診療所では問題解決は無理だと悟り、大きな病院へ行こうと考えを変えました。すでにパニック発作開始から二時間が経過していて、これは人生初の長さです。
そこから会合会場へ戻り500名以上が着席をして壇上の方の話に耳を傾けている中、臆することなく私だけが会場内を歩いてHさんの所まで行き、具合が悪いから帰りますと告げました。さらに、「悪いですけど車で無理をしてでも帰るので、皆さんは電車で帰って下さい」と言い残して会場を後にします。私の頭の中では、タクシーで帰るか、電車にするかという選択肢もありましたが、広場恐怖の症状も出ていたので、危険を承知でも高速道路を自分の運転で帰宅することにしました。
そして午後3時頃に郊外の石川PA付近まで戻ってきた時のことです。スッとあの恐怖が消え去りました。とても苦しい3時間でしたがやっと通常の世界に戻ることができました。そうです、これが私のパニック障害中発作初経験談です。
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