広場恐怖の具体例 電車の中(第17話)

鉄道とホーム

電車の中

社会人や学生として生活していく上で、通勤・通学の交通手段として電車はとても重要です。東京や大阪といった大都市圏に居住している場合は、ほとんどの方が利用するのではないのでしょうか?特に東京などの場合、片道30分から1時間は乗車していることが多く、パニック障害患者にとって悪夢の乗り物となります。
電車の種別で急行・快速・特急などは、電車の扉が次の駅まで5分~10分以上開かないので、パニック障害患者はこれら種別の電車を避けようとします。結果的に普通電車しか乗ることが出来ないようになります。調子が良ければ目的地まで途中下車しないで行けますが、予期不安などが発生してしまうと、何度も何度も途中下車をして休憩をしてしまいます。
こうなりますと片道30分の行程が片道2時間になってしまうこともあり、仕事に遅刻する回数が増えてしまいます。遅刻を避けるためにかなり早めに自宅を出発することとなり、始発電車で通勤なんて方は大変多いのではないでしょうか?
これらの理由から移動に多くの時間が取られてしまうため、社会生活を送るのが困難になるケースが多々あります。病名が判明していて、それを会社へ報告し、職場の理解を得ているようなケースの方は就業を継続することができますが、精神疾患を隠して働かなくてはならない職場環境の場合、電車通勤を避けるために職場近くへの転居を検討するようになります。
しかし、独身一人暮らしなら転居も簡単ですが既婚者の家庭持ちですと、職場近くと言っても職場が都内中心部の場合は家賃が高すぎて払えないため、どうすることもできません。パニック障害患者にとって電車の中は、大変恐ろしい空間なのです。
私の経験としましては、通院に電車を使っていたのですが、途中下車は日常茶飯事でした。電車の中でのポジションは必ず扉の正面と決まっていました。電車内で予期不安の最中などは、どうしても外の空気が吸いたくなりますが、実際には吸えません。でも、とても苦しいので強引に扉のゴムの部分を手でこじ開けて外の空気を吸おうとしてもがくことなどがあり、明らかに挙動不審です。

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