パニック中発作 その2(第14話)

高速道路

中発作発動中!!

大きな会合があり、私は東京都の郊外から、都内中心部までの道のりを車で中央自動車道を走行していました。同乗者は3名ほどいました。郊外を出発したころから、具合が悪くなっていきます。車内ではいろいろと仕事の話で盛り上がっています。まあ、悪口ですけどね。
大変和気あいあいとした雰囲気の中、私だけが心の中で「こりゃあ、困ったぞ」と気持ちを落ち着かせようと会話に参加したり、笑ってみたり思考錯誤するのですが、確実に悪い方向へ体調が傾いていきます。
そして、石川PAを過ぎたあたりの、合流車線がある部分で、私は突然我慢できなくなり車を路肩へ急停車して、車外へ飛び出してウロウロと路肩を歩き始めたのです。「同乗者達はどうしたのか?」と尋ねますが、私はただ気分が悪い、悪い予感がすると説明するので精いっぱいです。
このパニック障害の症状の説明は、他人が聞いても病気の知識がなければ、「気のせいだよ」と感じるらしく、皆さん口々に「気のせいだよ」を連発します。 そりゃあそうですよね、先ほどまでコーヒーを飲みながら運転できていた人が、倒れそうだと慌てふためいているのですから。。。。それでいて、当の本人が自分の体調不良の原因と病名を知らないのですから、この病気の知識や経験が無い方が私の話を聞いても、わかる筈はありません。
仕方ないので、運転をYさんに代わって頂きました。更に同乗のHさんは私より目上の方なのですが、車内で私の肩や首を20分以上も揉んで下さり、いろいろとご心配を掛けてしまいました。
その日は昼食を会合会場で取る予定でしたので、この時点での時間は午前11頃だったと記憶しています。この発作は小発作程度でしたので時間の経過とともに徐々に治まり、目的地に到着した頃には、気持はかなり落ち着きを取り戻していました。
実際、昼食を食べましょうということで、お蕎麦を注文したくらいですからね。私もやっと笑顔になり、食券を買ってトレーに注文したお蕎麦を載せてYさんやHさんの座っているテーブルへ腰を下ろした瞬間です。突如、またあの発作が始まりました。
それは予期不安などではなく、間違いなく発作です。時間はお昼12時ちょうどだったのを覚えています。もうこうなると、食事どころではありません。結局昼食には箸をつけずにトレーをテーブルに置いたまま、同乗者で一番若いAさんに「ちょっと具合が悪くて食べられないから、代わりに食べてくれ」とお願いし、更にYさんに建物内の企業病院へ行きたいから会合には遅れますと言い残して、エレベーターホールへまっしぐらです。

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