広場恐怖の具体例 車の運転(第18話)

直線の高速道路

車の運転中 特に高速道路 大きな交差点の右折レーン

社会生活を送るなかで、特に地方都市や首都圏の郊外に住んでいると、どうしても車の運転が必要となってきます。日々の買い物から通勤や通学、家族の駅までの送り迎えや休日のレジャーなど多様なシチュエーションで運転は必須条件ではないでしょうか?
私は幸いなことに通勤に関しては徒歩30秒の環境でしたからよかったのですが、仕事の立場上、外出する機会が多くハンドルを握るのは日常的なことでした。年間2万キロは走行していました。地方都市の方ですと普通の距離かもしれませんが、東京首都圏ではかなりの距離となります。
私は車の運転は好きな方でしてあの狭い空間の中で一人になっていると、自分の時間というか心地よい環境だと感じていたくらいです。そのような私ですが、パニック障害を患ってからというもの、あの楽しかった車の運転時間が大変苦痛な時間へと変化したのでした。 閉鎖空間や自由に身動きが取れない状況をパニック障害患者は嫌うのですが、当然私も例に洩れず閉鎖的な状況を好ましく思わなくなっていました。
具体的な例ですと高速道路の運転です。高速道路は出入り口以外には一般道路へ移動できません。IC間も概ね10~15キロメートルの間隔がありますので、時速100キロで走行していても次の出口まで10分くらいはかかります。この高速道路運転中に予期不安が発生しますと、かなり危険な状況となります。
他人のことなど考える余裕が無くなりますので、右側の追い越し車線を走行中の車を左側車線からぶち抜いてひたすら高速道路出口まで車を飛ばすなんて状況になってしまうのです。大変危険ですが、実際に亡くなるよりも怖いパニック障害です。高速道路での危険性より頭の中の恐怖感のほうが、危険性を感じていますので優先順位は自分の車が他の車よりも当然上です。もう無茶苦茶なロジックですね。
あと、大きな交差点(片側3車線)も苦手となります。私は実際に経験しているのですが、右折レーンで信号待ちの最中に予期不安が我慢できなくなり、突然車を飛び降りて歩道に駆け上がり、歩道の上でひっくり返って横になったことがあります。後続車の方は道路中央に放置された車を見て驚かれたと思いますが、当時の私にとっては普通の行動でした。ですので車の運転をする時は、好んで左車線を走行してコンビニを見かけては、コンビニの駐車場で休憩をするなどといった運転方法が、当時の私の運転マナーでした。

コメント