好印象 〇〇こころのクリニック その1(第35話)

紙とペン

私は時空間をループさせる特殊能力など持ち合わせていません。なのにそれを現実世界で実際に体験していたのです。恐るべしパニック障害。アニメ化決定ですね。タイトルは「賢狼パニ(ぱにたん)の憂鬱」。文部省推薦アニメ「日本むかし話」並みに、厚生労働省推薦アニメになりそうですね(笑)

さて、その後、先生と今後の治療についてのお話がありました。まずは処方する薬ですが、私が精神安定剤を非常に気に入っているのを良しとしたのか、頓服という形で精神安定剤を処方されることになりました。以前の大学病院で処方されたのは精神安定剤0.5ミリ錠でしたが、先生は1ミリ錠もあるからそちらにしましょうか?と聞いてきましたが、私の方から0.5ミリで満足していますと返答しました。
病院では最大で28日分のお薬が処方できるのですが、今回は初診ということもあり、二週間分として14錠の処方箋を発行してもらいました。この処方箋は病院と大きなターミナル駅の間に調剤薬局が数件ありますので、そのどちらの薬局でも薬が受け取れるそうです。

心療内科で好印象を感じた出来事

そして私はここまでの診察の過程で、この「〇〇こころのクリニック」に対して好印象を抱いていた理由が二つあるのですが、更に好印象を受ける出来事があったのです。それは、精神安定剤が治療薬として選定された後、先生がおもむろにある用紙というか、紙切れを私へ差し出したのでした。それは広げた大きさだと横幅13センチで縦幅18センチくらいの医薬品の説明文章です。

8つ折りくらいに折りたたまれていて、薬局等で売薬の風薬などを買うと、箱の中に入っている薬の取り扱い説明書と同等のものです。細かな字で用紙の両面にビッシリと薬の承認番号や商標名、組成、効能又は効果、用法及び容量、使用注意、副作用などが書いてあります。薬効薬理など動物実験での結果等、やけに専門的です。売薬に添付されている取説とはちょっと違っていて、どうみてもこれは医療関係者への専門的な文章です。

そうすると先生はこの用紙の内容に沿って、精神安定剤の説明を始めたのでした。先生の手には赤ボールペンが握られていて時折重要な所では、赤線を引いていきます。今まで病院等で抗生物質やその他の胃薬などを処方された事はありますが、処方されるお薬に関して、専門的に時間をかけて説明されたことはありませんでした。
そして、先生は「この紙はあげますよ」と言って、私へ差し出したのでした。私はこの時、この先生は名医の素質あるなと感じたのでした。私は先生に「いままでこのような説明をお医者さんから受けたことはありませんが・・・」というと、先生は「う~ん、まあねえ、その・・・時間がないからねえ・・普通ここまでの説明は・・・」と言葉を濁します。
どうやら、私のなんでも知りたがる性格を見抜いていたのか、ただ単に新規開院三週間で診察時間に余裕があったのかは分かりませんが、やけに丁寧です。

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