二つ目の心療内科受診 その2(第32話)

青信号

女性の声でなんとなくいい感じです。

私「あの~、初診で診察を受けたいのですが予約をできますか?」
女性「いつ頃がご希望ですか?」
私「出来るだけ早い方がいいのですが?」
女性「でしたら1月31日の午後に空きがありますがどうでしょうか?」
・・・・え? 今日は1月25日です。 それって六日後ですよね。さすが新規開院3週間は違います。自宅からは電車で通う距離になってしまいますが、六日後に診察を受けられる誘惑には勝てません。
私「ぜひ、お願いします。」
これで予約は完了です。月末で仕事が忙しい時期ですが、そこは管理職の身分。仕事を部下に割り振り、間違いのない指示を的確に出しておけば、業務に支障はありません。ウキウキしながらその日がやってくるのを待ちわびます。

二件目の心療内科を受診の日

そ・し・て・・・・  ついにやってきました! 2008年1月31日。生まれて初めて訪れる知らない街。割と大きなターミナル駅ですが、駅構内の案内表示板を頼りに方角を確かめてレッツゴーです。まさか、この街にこれから1年以上も通うことになるとは、その時は露知らずでした。
その日は徐々に体調が悪くなっていて、電車の中でも気分が悪く、途中下車を繰り返しての旅路でしたが、あと数百メートルも歩けば、私も病院へ当たるってやつです。周囲をキョロキョロ見渡しながらの病院探しです。
この大通りの先の信号のある交差点を右折すると左手に・・・ありました。〇〇こころのクリニック。とても好感の持てる病院名です。以前訪問した〇〇駅前心療内科とは違って、精神疾患患者の気持ちが良く分かっている病院名ですね。とてもとても苦しくて、辛くて、泣きたくなりそうな暗くて長いトンネルの先にやっと見えた希望の光。私にとってもっとも安らげる場所。今でもその感動を覚えています。
透明ガラスの自動ドアの外から中をちょっと覗いてみます。真っ直ぐに伸びた通路の両サイドに長椅子が3つほど見えます。手前右側には受付らしきカウンターもあります。出来たばかりの新しい建物は、新規開院3週間にふさわしい輝きを放っています。でわ、はやる気持ちを抑えて、いざ、突撃です。
しかし、その時点で気がつきました。この病院は交差点のすぐ近くに建っているのですが、信号待ちの車の列の中からの視線が気になります。以前訪問した〇〇駅前心療内科は雑居ビル内でしたので、他人の視線は気になりませんでしたが、今回は違います。看板には大きく〇〇こころのクリニックと表記してあるので、ちょっと恥ずかしいのです。
病院の隣にある駐車場前の自動販売機で飲み物を買って、信号待ちの車の列がいなくなるタイミングを見計らいます。そして、ちょうど青信号で車列が動き出したタイミングをみて、コソコソと病院へ入ります。先程までの威勢のよかった突撃とは大違いで、コソコソ入りです。

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