パニック大発作 その1(第24話)

夏の日差し

人生初のパニック大発作 大発作発動中!!

お話の舞台は2008年1月の東京、私はその日も業務に追われ、日中は忙しく働いていました。そして夕方6時のことです。コーヒーを飲みながらいろいろな考えを巡らせていると、またいつもの嫌な感じが襲ってきました。「あ~あ、まただ、嫌だなあ」、そんな感覚に襲われながら事務所の中をうろうろと歩き回ります。早く気持が落ち着かないかな~、そんな期待をしているのですが今日は少しばかり様子が変です。悪い状態がどんどんと加速していく感じです。
当然、恐怖感などはいつも通りあるのですが、今日のはただ事ではありません。事務所の中で椅子に座ったり立ちあがったり、どうにかしようとするのですが一向に落ち着きません。時計を見ると午後6:05でした。再び事務所の中を出口の方へ数歩、歩いた時のことです。突然右わき腹付近に得体の知れない不快感を感じました。食中毒というか、吐き気です。
「えっ?」、何が起こったのかわかりませんが、本能でしょうか?体が自然に反応したのでしょうか?両膝から地面に崩れ落ちてしまいました。「うわあああああ」。ただ事ではありません。事務所の地面の上でひっくり返って仰向けに倒れていると、ちょうどそこへ新入社員の若い子が事務所へ入ってきました。
私はとっさに「社員のYさんに電話をかけて、すぐに会社へ戻ってくるように頼んでくれ」と新入社員にお願いをして、彼が会社の外線電話の受話器を手にしたのを見届けると、私自身が今度は携帯電話を手にしました。

そして119番へ通報です。すぐに電話が繋がり、「どうされましたか?救急ですか?消防ですか?」との問い掛けに「救急です」と答えました。人生初の、自分の為の救急車依頼です。住所と氏名を伝えると、電話口から容態を聞かれます。しどろもどろに「兎に角、ただ事ではない。意識を失いそうですから、すぐに来てください。」と一生懸命にお願いします。

先方がすぐに救急車を手配しますからという言葉を聞いて、電話を切ります。その様子を見ていた新入社員が「どうしましたか?」と聞いてきたので「わからないが、救急車を呼んだ」と答えました。そして私が「社員のTさんもすぐに会社へ戻るように手配してくれ」と再度、新入社員へお願いをします。私の容態は、自分一人では立ちあがることも出来ず、床の上に仰向けの状態で倒れているだけです。

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