ほとんどの心療内科は完全予約制 その2(第12話)

公衆電話

私が持っていた心療内科のイメージ

私の当時の心療内科のイメージといいますと、アメリカ映画のカウンセリング場面等で、患者がソファーに深く沈みこむように座って目を閉じ、ドクターが暗示を掛けながら話しかけ、患者が涙ながらに過去を語り、苦悩を語り、本音を語るというものでした。
そのような印象を心療内科に対して持っていましたから、受診してみようという思いに達するまで半年くらいは経過していました。電話帳を見ながら電話をしているその瞬間でさえも、「心療内科なんて嘘くさい~~~笑」というのが、私の正直な思いでした。でもって、電話が心療内科と繋がり予約の話をしたところ、三週間後なら空きがありますとのこと。
「へ? なにそれ? 病院って具合が悪いからすぐにでも受診したいのに、三週間後?」と食らいついてみましたが、「完全予約制のですのですいません」とのことでした。仕方がないですが受け入れるしかありません。
後々知ったことなのですが、心療内科では前記の通り完全予約制で、受診者の殆どが受診時に次回の予約をして帰宅します。つまり病院のスケジュール帳はびっしりと予約で埋まっているのです。ですので、新規患者の初診予約は一週間で2人までといった感じでして、これが初診が三週間後の予約といった状況になってしまう理由なのです。
なので、実際に三週間後に病院へ行った時には、院内の待ち患者は数名だけです。予約制ですから、通常の病院みたいに廊下の待合室は順番待ちの患者で溢れかえっているといった事はないようです。患者ひとりひとりに対しての診療時間は概ね20分くらいの枠を設定しているみたいです。通常の内科医院の三分診療とは大違いのようです。

人生初の心療内科にて

さて、私の初となる心療内科受診といいますと、私が自分の症状を10分以上説明して、先生がそれを「ふむふむ」と聞いて、家族構成や仕事のことを質問されて、最後に「それで次回はいつ頃がよろしいでしょうか?」と聞かれただけでした。
当時の私の気持ちとしては、「詐欺にあった感じ」です。体調が悪くて予期不安もひどくなってきています。病院へ行けば原因を教えてもらえて、治療を受けてすぐ快方へ向かうと思っていたのに、映画のシーンよりもっと簡素な対応でした。なんだか怒りが込み上げてきて、次回の予約もせずに帰宅してしまいました。これがわたしの心療内科初体験談です。
補足ですが、前回大学病院で受け取った精神安定剤デパスは机の引き出しの中に仕舞い込んだまま、一度も飲んでいません。また、病院をあちこち訪問したことは、心療内科の先生へ告げています。この駅前心療内科での受診結果によって、私が再び別の心療内科を訪れることとなるのは、それから数カ月後となってしまったのです。

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